今朝、二度寝か三度寝かくらいのとき、夢の中に爛が出てきました。
爛は起きてきて、ケージからもそもそ出てきたところでした。
「ゾンビか!?」と夢の中のワタシは思いました。
夢の中のワタシは、爛が逝ってしまったことを認識しているワタシだったのです。
つまり、現実の延長の夢でした。
ケージから出てきた爛は、ぴょんぴょこ飛ぶように、好きなところに走って行きました。
時々、ワタシの方を見ていた気がします。
夢の中のワタシは「良かった」「やっぱり寝ていただけだったんだ」と思いました。
腕だったか足だったか、登ってきて、ワタシを見上げました。
何かをねだるときに見せた姿でした。重みもあった気がします。
「何が欲しいの?」というワタシ。爛は「コーラ、コーラ」と言っていました。
なぜコーラだったのか。しかも日本語で答えるなんて。
そこで目が覚めてしまいました。
爛を寝かせているケージを覗いて、涙が溢れました。爛が逝ってしまったことが、現実なのです。
もう少し、夢でもいいから、一緒にいたかったな。
爛の目元にしずくがありました。
死後の過程での体液が出てきただけですが、ワタシには夢で逢えたことの繋がりに見え、なんだか安堵を覚えました。
そうか。爛は、ただ寝ただけだったんだね。入院の日から、ちゃんと寝られてなかったもんね。
寝られると思った、気持ちの良い瞬間がふっと来て、体を丸くしたんだね。
それで気持ちよく寝られたと思ったら、気が抜けて、魂も抜けちゃったのかな。
もしかしたら、自分が死んでしまったことにすら気づいてなかったかもしれないね。
フェレットらしいね。
それから何度も撫でました。
冷たいけど、毛皮の艶は変わりませんでした。
午後には荼毘に付し、爛は体も仏様のところに旅立ちました。
葬儀場までの道中、一緒に過ごした思い出をつぶやきながら歩きました。時々、涙が出ました。
完全に不審人物ですが、爛の体がある最期の散歩でしたから、他人の目などどうでも良かったのです。
葬儀場では、お経の書かれた経文が、爛に直接あげられる最期の贈り物になりました。
カッコよく、経文を持ってもらいました。
荼毘に付した爛は、すごく立派な骨を残しました。牙も歯も、骨はほとんど残っていて、思っていたよりもずっと太くて逞しい骨でした。
ちゃんと育ててあげられていたんだと、鈴蘭や葵のときにも思ったことを、爛でも思いました。
家に帰ってきて、爛をケージに戻しました。よく寝ていたベッドに乗せて。
鼬の匂いのなくなり、自分以外の生き物の音もなくなった部屋は、やっぱり寂しいです。
でも、しょんぼりめそめそしていたら爛たちを心配されてしまうので、いっぱい泣いたら、顔を上げて生きていきます。